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2×4 初級者編 その6


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10.開口部を支えるマグサについて

 

前回は耐力壁線(以下、壁線)に設ける開口幅に関して紹介しました。さて今回は開口部の仕様に関する告示1540号 第五 十三を紹介します。告示の内容は以下の通りです。

 

「十三 幅九十センチメートル以上の開口部の上部には,開口部を構成するたて枠と同寸法以上の断面を有するまぐさ受けによってささえられたまぐさを構造耐力上有効に設けなければならない。ただし、構造耐力上有効な補強を行った場合においては,この限りでない。」

 

前半部分の内容を図で示すと以下のようになります。

kokuji1540gou-dai5-13①

 

どうしてマグサを仕様規定にする必要があるのか?

「2×4 初級者編その4」でも触れましたが、2×4工法は壁が屋根や上階の荷重を支えます。

そのため、支えてくれる壁が無い開口部を設けると、その部分の荷重を支える「何か」が必要になります。その「何か」がマグサとマグサ受けと言う事なので重要な構造要素として扱われています。

上の図でもピンクのマグサとブルーのマグサ受けで「門」のように上の荷重を支えているのがわかると思います。

また開口幅を広げたり、重い荷重を支える場合には、マグサやマグサ受けに要求される性能が高くなります。それに応じて部材寸法も大きくなり、より強い材種、集成材、LVLなどを使用します。

具体的には2階建て1階で1間(1820mm)開口の場合は、マグサ:410集成材、マグサ受け:2-204程度の部材が望ましいですね。

 

では後半の「構造耐力上有効な補強」の例を下図に示します。

kokuji1540gou-dai5-13②

開口部上部に垂れ壁を設けたくない場合や必要なマグササイズを納められない場合などの措置として、

この様に床根太の位置で耐力壁をまたぐように床梁を設けることで、上からの荷重を両側の耐力壁を通して下へ伝える事が出来ます。

さらに別のケースとして、廊下や出入り口などでマグサ受けを設けたくない場合の措置として、開口幅が1m以内であればマグサ受け金物(LH-204やLH-206)を使用すれば、マグサ受けの代わりとする事が出来ます。

 

kokuji1540gou-dai5-13③

 

意匠設計をする上では、できるだけ設けたくないマグサですが、改めてその役割を理解した上で、しっかりとした補強を含めて上手に計画していきたいですね。

 

 

追記

今月8月4日の告示改正の施行により、告示の第五 十一に※以下の部分が追記されました。

「十一 耐力壁の上部には,当該耐力壁の上枠と同寸法の断面を有する頭つなぎを設け,耐力壁相互を構造耐力上有効に緊結しなければならない。※ただし、当該耐力壁の上枠と同寸以上の断面を有する床版の枠組又は小屋組の部材(たるき、天井根太又はトラスをいう。以下同じ。)を当該上枠に緊結し、耐力壁相互を構造耐力上有効に緊結する場合においては、この限りではない。」

 

次回は頭つなぎに関して解説したいと思います。

 

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