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わび、さびが新しい?

2016年2月10日 更新

  すっかり寒くなってきた二月の土曜日。
神奈川県建築士会の「木造塾」で勉強会に参加させていただきました。
新横浜にある設計事務所なので、横浜という場所が持つ文化資産を学び、発信したいなと思っているわけです。
特に市内にある三渓園や近代建築や、鎌倉を含めた県内の木造建築は重要文化財を含むお宝です。
オリンピックを目指して、少しでも日本の木造文化について話せる大人になれればいいですよね。

 

さて、会場は横浜大さんばしに向かう、スクランブル交差点に近い、波止場会館です。
みなとみらい線日本大通駅をでて、シルクセンターの前を通ると、建物にかかる「神奈川屋」が気になります。
 

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入ると、3割引きになる県内の名産たちがそろっているのでした。思わず湘南タコせんべいシリーズを買いあさってしまうわたくし。

 

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いけない、今日の目的はここではないのだ。
波止場会館は、BX TOSHOが再生していくためにメンバーみんなで初めて会合した場所です。

 

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そんな懐かしさが混みあがりながら、「数寄屋と茶室ー数寄の空間と技術」(東海大学 小沢朝江教授)のお話をお聞きします。

数寄とは?どこから始まり、数寄屋とは?どのような構成をして、表現を目指しているのか。

室町から江戸時代まで、数百年の文化がつながる話を、3時間お聞きしました。
あっという間に、大変興味深い講義を拝聴しました。
たくさんのビジュアル説明と写真、先生のわかりやすく、魅力ある話に魅了され幸せな時間でした。
小沢先生のお話しは、絶対おすすめです!

 

不完全なものに美を見出す、わびの思想。
もちろん単なる手抜きや、いい加減ではなく、不足や不自由を肯定する思想は、もしかしたら今の我々には有効な考え方ではないか?とさえ思います。
ミニマリズムや断捨離に関心を持つ、足りなさへ向かう現代人の隙間を埋める文化を感じたわけです。

 

数人で詩を歌う連歌などのように、一人では成立しない茶会は、相手があっての演出であり、作法とのこと。
これを当座性というのだそうです。
あの人のために、この人のためを思う。という人との関りを茶室がくみたてているんですって。

一座建立は、もしかしたらチーム作りの基本形ですらあると思いました。
たとえ何度も会う相手だと知っていても、この時を一度限りであると重んじふるまう。一期一会が職場に根付けば、
毎日が茶会なのかもしれません。
そんな文化が数百年も重なっていることを知ると、この文化に誇りを感じうれしくなったりしました。

 

木造塾を企画してくださっている方々とも、懇親会にてお話しできました。
経験豊かで建築への愛情に満ちた先輩の方々ともお知り合いになれ、大変勉強になりました。
ありがとうございました。

 

執筆者

M,I

 

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