名画鑑賞

2014年9月9日 更新

この夏休み、久しぶりに名画を見る機会に恵まれて、映画館に足を運びました。

今はレンタルやネットでお手軽に見られる時代となりましたが、大スクリーンで何にも邪魔されることなく、どっぷりその世界に浸れるのはやはり映画館ならではです。
なので、ちょっぴり楽しみに、ちょっぴりドキドキ感を抱えながら、上映時間を待ちました。

 

タイトルは『裏窓』。

 

ウイリアム・アイリッシュ原作、アルフレッド・ヒッチコック監督で有名なミステリーで、主役はジェイムズ・スチュワートと、元モナコ公妃、グレース・ケリーです。
『裏窓』は足をケガして動けない主人公が、自室の窓から殺人事件(らしい)を目撃し、恋人や友人の助けを借りて事件を解決していく話で、ミステリーの世界では「ベッドディテクティブ」(安楽椅子探偵)と呼ばれるジャンルに入ります。探偵が調査に歩き回ることなく、聞きかじった話や傍証から犯人を突き止めていくので、この名前がついているのですが、確かアガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズや高木彬光の「神津恭介シリーズ」にも、この手法での作品があったように記憶しています。
些細な出来事も見逃さない炯眼と見識の深さ、固定観念にとらわれない頭の柔らかさが解いていく事件は、こんがらがった紐がきれいにほどけるような快感に、とてもよく似ています。

 

この映画もそんな快感を期待して観に行ったのですが…。
むろんヒッチコックですし、作品としても面白かったです。が、私が一番印象に残ったのは、グレース・ケリーのその美しさでした。オードリー・ヘップバーンとはまた違った気品を持つ姿に目が離せなくなり、ただただ見惚れて、最後は「同じ女性を名乗ってごめんなさい」と謝りたくなったほどでした。
当日、外は10分歩くのも億劫なくらいの酷暑でした。ですが、一時とても上質な時間を過ごせたおかげで、心がちょっと軽くなりました。機会があったら、また名画鑑賞に出かけようと思います。

 

執筆者

M,K

 

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