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道路にまつわる怪奇現象 ~道路(3)~

2014年12月24日 更新

道路シリーズは今回が最終回となります。

 

 

前回は接道規定(法43条)について書きました。
「建物の敷地は、前面道路に2m以上接道しなくてはならない」でした。
そして「ただし書」の話も書きましたが、これは法43条第1項の規定になります。

 

では、2項には何が書いているかというと、「建物の用途や規模などにより、道路と敷地の関係規定を地方公共団体が付加することができる」という内容です。
どういうことかと申しますと、東京都の例で簡単に説明したいと思います。
東京都建築安全条例の第4条には、
「延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合は、その延べ面積の合計とする。)が千平方メートルを超える建築物の敷地は、その延べ面積に応じて、次の表に掲げる長さ以上道路に接しなければならない。」
と書かれています。「次の表」とは、建築物の延べ床面積に対して必要最小限の接道距離が書かれています。例えば「延床面積1000㎡超え2000㎡以下の場合、接道距離は6m以上必要」と規定されています。
ちなみに、条例は法令と同等の扱いをうけますので、法遵守の対象となります。
法律は守りましょう。

「怪奇現象」発生!?

自分の家の隣地に空き地があると、「何が建つのだろう?」と興味津々ですよね。
「でも、隣地の接道距離は6mぎりぎり足りないみたいだからあまり大きいのは建たないだろう・・・」、なんて高を括って いいんですか?
建築計画が公表されると「2000㎡くらいのマンションが建つ?!」ってことも起こったりします。まさに怪奇現象です。
「違法なのか!?」というとそうではなく合法とのこと。安全条例では許されるはずのない大きさのはずなのに、なぜでしょう・・・。

カラクリは、法42条1項5号の「位置指定道路」です。
現況の前面道路との接道距離では安全条例で規定する接道距離には足りていません。
そこで「敷地内に道路を作って接道距離を確保すればいい」、という理屈で位置指定道路を作ってしまいます。 
デベロッパーもいろいろ思いつきますね。
「こんなのインチキだ! 建築確認申請が下りるわけがない!」 ・・・ 「えっ、確認下りた?」

建築確認申請は、建築許可申請ではありません。
計画建物が建築関連法令に抵触(違反)していないかなどを確認してください、という申請なので、よっぽどの違法性が疑われない限り 「法に抵触していない建物であれば確認申請は下りる」と考えていいと思います。
この位置指定道路を作って接道距離を確保するやり方、あちこちでもめているようです。(まぁ、もめるでしょうね。)
法の網目をかいくぐる脱法行為は、周りの人に迷惑、不快感、不信感を与えます。

隣地に広い空き地ができたら「お知らせ看板」が出ていないか注目ですよ。

 

執筆者

S,K

 

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