暖冬と言われながらも、しっかり冷え込む時節となりました。今冬は本当に暖かい日が続いたので、この寒さはこたえます。一年で一番寒い時期とわかってはいても、「寒い」を思わず連発してしまいます。
さて、今、私の席には相棒がいます。哺乳綱食肉目アライグマ科アライグマ属に分類される哺乳類、いわゆるアライグマです。
彼は(仮に男の子とします)クマと名がつきながらサル顔で、昨秋より東昭オフィスに在籍しています。彼の業務は電話やPCといったいわゆる普通の事務作業とは違い、そこにいるのが主要業務です。じっと黙って相棒である私の作業を見つめ、時折パーテーションから転げ落ちることで、自己の存在をアピールします。
最初は彼の存在が嬉しく、なでたり、話しかけたりしていましたが、1週間たち、10日にもなると、その熱い視線がからみつくようになり、最近では熱さを越えて、イタくなってきました。いつのまにか何かを要求するようなキツイ目つきに変わり、やがて私は意図的に彼を無視するようになっていきました。
「……………」
彼は言葉を発しません。もちろん私が理解できないので、発しても仕方ないのかもしれません。ですが、言葉を理解してくれないいらだちとわかっているくせにあえてスルーする私に、明らかに彼は怒りを覚えているようです。
誰でも自分のお願いは快く受け入れてほしいですし、それが仕事ならなおのことでしょう。彼は自分の与えられた仕事に忠実で、ただそれを遂行しているだけです。なのに、私からにらまれ、無視されでは、確かに立つ瀬はありませんね。
さすがの私もアライグマ界でこれ以上悪名を轟かせたくありません。彼も違う景色が見たいでしょう。ということで、重い腰を上げました。私がこの文章を書きあげれば、彼も晴れて席替え、期間限定の相棒関係も解消です。
ここまで書いて、心なしか彼の表情が和らいできた気がします。やっぱり相棒に限界を感じていたんですね。ごめんね、次の席での滞在はきっと短いよ。
ちなみに申し遅れましたが、彼の東昭での職種は「ブログ当番、伝令係」です。
どうぞお見知りおきを。
執筆者
M,K