- 開口幅の制限
それでは告示の解説に戻ります。今回は1540号第五-十二の開口幅の規定です。前回の寄り道で耐力壁線(以下壁線)について簡単に説明しましたが、その壁線上に設ける開口の制限です。この規定は建物のバランスを良いものにする上で重要な告示となります。
内容は以下の通りです。
「耐力壁線に設ける開口部の幅は4メートル以下とし、かつ、その幅の合計は当該耐力壁線の長さの3/4以下としなければならない」
前半部と後半部の2つのポイントについて説明します。
ではポイント①
「開口幅4m以下」・・・耐力壁線上にある開口幅のことを言います。必ずしもサッシや建具の開口だけではなく、垂れ壁だけの様に壁が存在しない部分も該当します。
注意点は、上図の‟壁“の長さが90cm未満の非耐力壁の場合です。(構造計算の場合は60cm未満)
下図のような場合の開口幅は、その非耐力壁の長さLwと両端の開口の合計となります。
その合計が4mを超えてしまうと不適合になってしまうのです。
ただし、次の図のように直交する壁線、又は開口の中間に直交する耐力壁が存在する場合は、各々の開口幅の制限のみとなります。これは建物外周部、内部共に当てはまります。
次にポイント②
「開口幅の合計は3/4以下」・・・これは開口率の規定です。
壁線上の開口の合計長さは全長Lの3/4以下に抑える必要があります。逆に耐力壁の長さは1/4以上必要になるというわけです。
それでこの‟3/4開口以下“規定の代表的なパターンを3つ取り挙げてみます。
※下図の開口幅は各々4m以下が前提となります。
※尚上記の図は雁行の条件を満たす場合です。雁行のルール、若しくは一つの壁線とみなすルールについては今後掲載する予定です。
以上が1540号第五-十二の基本的な考え方です。「2×4 初級者編その3」で「釣り合い良く・・・」の告示について取り上げましたが、この開口の制限を守ることで過大な開口の抑制と、壁線上の最低限の耐力壁を確保することで釣り合いの良い建物となります。南側に大きな開口を設けたいお客様、意匠設計者は悩ましいところですが、この規定を踏まえた設計をしたいものです。
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