根太の支点間距離と壁線間距離との違い
前回は土台について解説しましたが、今回は床版です。ちなみに読み方は「しょうばん」ですが、「ゆかばん」と呼ぶ方も結構いますね。床版の告示としては1540号の第四です。今回はその中の1~3を解説します。
「一 床根太,端根太及び側根太の寸法は,枠組壁工法構造用製材等規格に規定する寸法型式二〇六,二〇八,二一〇,二一二若しくは三〇六に適合するもの又は厚さ三十八ミリメートル以上で幅百四十ミリメートル以上のものであって,かつ,床根太,端根太若しくは側根太と土台,頭つなぎ若しくは床材との緊結に支障がないものとしなければならない。
二 床根太の支点間の距離は,八メートル以下としなければならない。この場合において,床根太に枠組壁工法構造用製材等規格に規定する寸法型式二一二に適合するもの又は辺長比(当該床根太に使用する製材の厚さに対する幅の比をいう。)が二百八十六を三十八で除した数値より大きい数値の製材を使用する場合(当該床根太を二以上緊結して用いる場合又は床根太の支点間の距離を四・五メートル未満とする場合を除く。)にあっては,三メートル以下ごとに転び止を設けなければならない。
三 床根太相互及び床根太と側根太との間隔(以下「床根太間隔」という。)は,六十五センチメートル以下としなければならない。」
最初の「一」は、「204材は床根太に使えません。206以上の材を使ってください。」と言う意味です。
「二」は少し後回しにして、「三」は床根太を横並びに配置する間隔(65cm以下)です。あまり間隔が広くなりすぎると床根太の上に貼る床合板がたわむので制限しています。
さて戻って「二」は、床根太をかけられるスパンの上限のルールです。最大8mスパンまで可能です。
なお、「この場合において~」以降は根太に212以上の材を使うときは縦長な断面の材なので転び止め材を設置しましょうと書いています。
ここでよく似た内容が告示1540号の中にあるので合わせて紹介します。
第五 六に「耐力壁線相互の距離は12メートル以下とし、~」と記載があります。
おや?最大スパン8mのはずなのに12mまでとはどういうこと?
文字で見ると混乱しますが、図で見ると分かりやすいです。
図1の様にすれば、耐力壁線相互は8m以上ですが、床根太のスパンは8m以下です。
つまり短辺は8m以下ですが、長辺は12m以下と言う訳です。
また短辺を8m以上にする方法もあり、図2の様に途中で床根太を継ぐことで支点間距離(スパン)を8m以下に出来ます。この場合は継ぐ箇所には支持壁やマグサ、床梁などが必要です。
1つ注意点があり、耐力壁線区画(壁線で囲まれた範囲)には面積の上限(40㎡)があります。
図1を拡張して12m×8mの耐力壁線区画を作れそうですが、区画の面積(96㎡)が大きすぎるので、先程紹介した第五 六の告示の後半部分に記載内容から外れてしまいます。
(この話はまた次回くらいに・・・。)
今回紹介したように、意外と告示の内容同士が組み合わさっているケースがあります。
分かりづらくなるポイントなので、できるだけ解説していきたいと思っています。
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