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神奈川県の高校受験

2022年5月15日 更新

5月になりましたね。

うちの子も高校入学して1か月になります。

 

つい数か月前のことなのに、高校受験でバタバタしすぎて 結構昔の出来事のように感じています。

記憶が薄れる前に 神奈川県の高校受験について記録したいと思います。

 

私自身の高校入試は何十年も前のことで、受験戦争と言われていた時代でした。

そういうイメージしか持っていなかったため、神奈川県の入試説明を聞いたとき 最初は全く理解できませんでした。

また、神奈川県は他の地方ともちょっと違っているようなので、県外の方にも へぇ~ と思われるかもしれません。

 

【公立高校の学区】

 神奈川県の公立高校には 学区はありません。

 昔は学区が設定されていたとことで、神奈川県の高校入試案内などのガイド本にはその名残の学区表が載っています。

 18学区ほどあったようです。

 ちなみに公立高校とは県立、市立などの地方自治体の高校のことで、国立は公立扱いとはいたしません。

 

【内申点】

 中学校の成績のことですが、結構 重要です。

 これは日ごろの積み重ねの結果ですので、1年生の時からそれなりに頑張りましょう。

 高校入試に影響する内申点は、私立と公立で違います。

 

 私立だと学校によって違うので一概に言えませんが、中学2年生の最後の成績または3年生後期中間時の成績を採用するといった感じでしょうか。

 また、科目は 英数国の3科、英数国理社の5科 など、いろいろあります。

 英検や数検の加点制度を採用している私立高校もありますので、検定試験も視野に入れたほうがいいと思います。

 

 公立の内申点の算出方法は次のようになります。

  中学2年生最後の成績(9科) と 3年生後期中間時(9科)の2倍 の合計が内申点となります。

  9科ということは、技術・家庭、保健・体育、音楽、美術の成績も評価の対象です。提出物なども大事ですよ。

  2年成績(9科×5段階)+3年成績(9科×5段階×2倍)=135点満点

 3年生の成績は2倍されるので、3年生の成績が1上がることは内申が2上がることを意味しています。これは重要なポイントですよ。

 公立は検定の加点はありません。

 

【私立高校受験】

 私立高校受験は主に以下のタイプがあります。

 

 (推薦入試)

 中学校の校長先生から推薦状をもらって受験します。学校が定める基準をクリアし、推薦が取れたら合格となります。この時点で受験は終わります。

 他校受験は認められないことが一般的だと思います。

 

 (一般入試:単願・専願)

 他校受験をしないことを条件の入試で、学校が定める基準をクリアしていれば合格となります。この時点で受験は終わります。

 受験方法は学校によって異なりますが、書類選考または書類選考以外(入試、面接、論文など)で合否選考されます。

 

 (一般入試:併願)

 公立高校受験との併願で私立高校を受験することを意味しますが、位置的にはすべり止め受験になります。

 私立併願方式には、併願確約 と 併願優遇 があり、学校により違います。

 神奈川県内の私立高校は併願確約を採用している学校が多いと思いますが、東京都の私立は併願優遇が多いと思います。

 その違いは、私立併願を受験した時点で合格となるのが併願確約方式。

 試験成績はオープン入試よりは優遇された選定方法を採用して合否判定を出すのが併願優遇方式となります。

 受験方法は学校によって異なりますが、書類選考または書類選考以外(入試、面接、論文など)で合否選考されます。

 併願確約方式を採用している学校は、書類選考が多いかもしれません。入試もするところもありますが、形式的に行っている感じのようです。

 書類とは内申のことですが、内申点が合否の分かれ道となります。

 学校により規定している内申点以上あればほぼ合格できますが、評価に1があると合計内申点が満足していても不合格ということもあります。

 中学校にもよりますが、評価1は 学力というよりは授業態度や提出物などの日ごろの素行が問題となる場合が多いようです。ちゃんと提出物を出しましょう。

 私立併願の出願は基本的に1校と考えたほうが無難だと思います。

 

 (一般入試:オープン入試)

 学科試験を受ける、所謂 普通の入試です。私の世代はこれが標準的な受験でした。

 併願制度を採用していない早稲田、慶応などの私立難関校、国立難関校などもありますので、ご注意ください。

 推薦や単願を出願していなければ、オープン入試は何校も受験できると思います。

 

【公立高校受験】

 公立高校の受験システムを理解するためにはまずA値~D値を理解しましょう。

 その前に、公立高校は合格者人数は募集定員とするため、公立に受かった人は基本的に入学を辞退できません。

 志願取り消し手続きは、合格発表日の前日正午までに行う必要がありますのでご注意ください。

 

 (A値)調査書の評定(内申点)

 先に説明した 135点満点の内申点ことです。

 

 (B値)学力検査の得点

 入学テスト(本試験)の点数で、5科×100点 = 500点満点

 全校共通問題です。

 

 (C値)面接の点数

 100点満点。

 基準点100点として減点方式としたり、基準点を80点として加算・減算して多少差をつけるなど、学校によってまちまちです。

 ただし、他人とあまり差がつかない部分で、みなさんほぼ基準点という噂があります。

 

 (D値)特色検査の点数

 自己表現検査(筆記試験)の場合は100点満点。

 全校で実施されているテストではありません。

 実施校で共通問題冊子です。問題冊子には共通問題と共通選択問題の2種類あり、実施校共通の問題と学校側が指定する共通選択問題を解くことになります。

 中学教科書の理解だけでは解けないと思われるほどの特異な問題です。

 また、自己表現検査(筆記試験)ではなく実技検査(デッサンやスポーツ技能など)を実施する高校もあります。

 

 (S値)

 上記のA値~C値またはD値をそれぞれ100点満点に換算して、学校別で設定している比率による算出した得点の合算値をS値といいます。

 特色検査を実施しない学校の場合のS値は1000点満点となります。特色検査実施校は1100~1500点満点となり、学校によって異なります。

 このS値の高い人から合格が決まっていきますが、実はS値には2種類あります。

 

 合否選考方法には、1次選考と2次選考があります。

 入試が2回行われるわけではなく、入学定員数の90%の人を1次選考、残りの10%の人を2次選考で合否判定します。

 2次選考枠のS値は、A値(内申点)を考慮しない、B値・C値・D値(特色実施校)で算出します。

 この枠は 他県、諸外国からの転入生を考慮したものとのことです。

 10%という狭い枠なので、基本は1次選考合格というスタンスでいいと思います。

 

 いろいろ説明してきましたが理解できましたでしょうか?

 では、具体的な数値でS値を算出してみましょう。

 

 ※参考計算例(1次選考)※

 

 内申点が各教科オール4の場合

 2年も3年も 9科×4=36 となります。

 A値:36+36×2=108 /135点満点

 

 学力検査の得点が全科目80点の場合

 B値:5科×80=400 /500点満点

 

 面接の点数が80点の場合

 C値:80点 /100点満点

 

 特色検査の点数が50点の場合

 D値:50点 /100点満点

 

 まずそれぞれを100点満点に換算します。

 A値→a:(108/135)×100=80点 /100点満点

 B値→b:(400/500)×100=80点 /100点満点

 C値→c:80点 /100点満点

 D値→d:50点 /100点満点

 

 学校による各値の比率が A:B:C:D=2:6:2:2(1200点満点)の場合

 S値 = a×2 + b×6 + c×2 + d×2 = 80×2 + 80×6 + 80×2 + 50×2 = 900点 /1200点満点

 となります

 

 比率の違う学校で、各値の比率が A:B:C:D=3:5:2:1(1100点満点)の場合

 S値 = a×3 + b×5 + c×2 + d×1 = 80×3 + 80×5 + 80×2 + 50×1 = 850点 /1100点満点

 となります

 

 学校が指定する各値の比率により 元値が同じでもS値に違いが出てきます。

 この比率の違いにより、その学校が何を重視しているのか透けてみるところでもあります。

 先述の比率の高校は、A値が2でB値が6となり、後述のA値が3でB値が5の高校より 入試重視という特徴が読み取れます。

 内申より本試験を重視ということです。

 この比率割合は、10ポイント満点をA~C値に割り振っています。

 どの高校もC値(面接)は2としているので、8ポイントをA値、B値に振り分けていることになります。

 ちなみに前述の入試重視校は、神奈川トップの横浜翠嵐高校で、この割合を採用している唯一の高校です。

 他の高校では、A:Bの比率は 3:5、4:4、5:3 という設定のようです。

 トップの翠嵐高校ですが、学力が超トップであれば 多少内申点が悪くても入学できるチャンスはあるとも言えます。

 

 とは言え、内申・学力バランス型の高校が一般的なので、やはり内申も重要となります。

 A値:B値の比率の違いで入試重視校の話をしましたが、逆にA値の割合が上がると内申の1点の重みが変わります。

 内申を1上げるのも大変なことですよね。

 

 がんばれ、中学生!

 

※記事は2022年3月の入試制度となります。

 

執筆者:S.K

 

 

 

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