由比ちゃん、今2階建ての家のプランを考えているんだけど
1階に大きいリビングを作りたいんだ!
この前、軸組工法だと自由な空間がとれると言っていたけど
どのくらいまで大きく作れるの?
そうですね、小さい体育館くらいまでは
計算上大きく出来ると思いますよ。
え!?そんなに大きく出来るの?
おじさん、期待させてごめんなさい。
木造軸組み工法は柱に梁をかけて作っていくんですけど、
柱間の距離が大きくなると、梁の負担がどんどん大きくなって
部材が大きくなってしまいます…
住宅だと高さの制限もあるので、部材が大きくなるという事は
天井がどんどん低くなってしまうんです。
どんなに大きい空間でも天井に頭がぶつかるのは嫌ですよね。
確かに大きいリビングでも天井が低いと狭く感じるし、
頭をぶつけるのは嫌だなぁ…
それじゃあ実際のところどのくらい空間を大きくできるの?
梁のスパン(柱間距離)が大きくなると
どうしても梁はたわみやすくなりますし、
部材も大きくなって天井内に収まらない可能性もありますね…
それに梁の長さが6mを超えると一般的に流通していないので、
特注になってしまう可能性もあります。
梁を短辺方向にかけるとして
短辺方向の長さ4~5mを限度として設計することを
私はお勧めしますよ~
(※実際に特注になるかは都度加工会社等にご確認ください。また、設計条件にもよる為、上記スパンはあくまで一例になります。)
4mくらいなら梁の大きさは天井内におさまるってこと?
そもそもどうやって梁の大きさを決めるの?
梁の大きさを決めるには主に
①計算で確かめる(許容応力度計算など)方法と、
②スパン表といって条件を当てはめれば梁の大きさが
分かる資料を使って決める方法になります。
スパン表によると梁のスパンが4.5mで必要な梁のせい(高さ)は
大体360㎜ですね。
え?ついこの前、仕上げ材とか建てる場所によって
耐震性が変わるって言ってなかったっけ…
表から読み取って決めていいの?
おじさん、相変わらず鋭いですね…
スパン表は積雪が多い地域なのか、何を負担するかなど、
おおまかな条件が設定されているんですが、
どうしても上部に耐力壁が乗っているか、仕上げ材は何かなど、
細かいところまでは条件が設定されていないので、
最適な寸法であるとは限らないんです。
吉坂さん、こちらに私が作成した簡単な解説記事がありますので、
良ければ参考にご覧ください!
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Branch(ブランチ) -「仕事」に役立つ構造読本- より
簡易計算に使われるスパン表。
簡単そうですが、実は十分な注意が必要です。
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池田さん、いつもありがとうございます!
参考にします!
やっぱり構造計算してもらった方がいいのかなぁ…
もちろん計算をして適切な材を確かめることも大事だと思いますが
梁に負担をかけないような設計が大事ですね。
構造計算で適切な部材を設定しても
スパンが大きいと梁に負担がかかることは間違いないですから。
構造と意匠のバランスをとるのは難しいなぁ…
よし、もっと勉強して理想の家を作るぞー!
次回へ続く・・・
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さぁ!ここからは今月のクイズです。
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応募締め切りは10月20日(金)です。
さて、今月の問題は・・・
【Q】構造計算をしないで梁の大きさを決める際に使用する表(本)は何?
① スパン表 ②設計表 ③荷重表
※ クイズの応募は締め切りました ※
第4話のクイズの答えは「③重い屋根」でした。
たくさんのご応募ありがとうございました!