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2×4 初級者編 その7


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11.頭つなぎについて

 

「十一 耐力壁の上部には,当該耐力壁の上枠と同寸法の断面を有する頭つなぎを設け,耐力壁相互を構造耐力上有効に緊結しなければならない。(※)ただし、当該耐力壁の上枠と同寸以上の断面を有する床版の枠組又は小屋組の部材(たるき、天井根太又はトラスをいう。以下同じ。)を当該上枠に緊結し、耐力壁相互を構造耐力上有効に緊結する場合においては、この限りではない。」

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開口部への鉛直荷重に対してはマグサなどを設けることで、サッシや建具への影響を考慮することが出来ます。

では横からの水平荷重(地震や風による力)に対してはどうでしょうか?

まぐさも耐力壁~耐力壁に力を伝達させるために必要な部材ですが、耐力壁同士をつなぐためにさらに必要な部材が、冒頭の法文にある「頭つなぎ」となります。

その名の通り、壁パネルの“頭”つまり上部を“つなぐ”ことで、両側の壁が水平力を受けた時同じように動き、抵抗できるようになります。

頭つなぎの部材は204平(38×89mm)1本分のサイズですが、意外と重要な役割を担っているんです。

例えばもしこの頭つなぎが無い場合、左の図のように開口部により耐力壁が分断され、水平力を受けた時に各壁はバラバラに抵抗することになってしまいます。場合によっては片方の壁しか抵抗しないケースも考えられます。そのため連続的、一体的な壁の構面を構成すべきツーバイ工法にとってこの場合はふさわしくないと言えるでしょう。

また、施工上においても壁が組上がった後、上部をつなぐことで一時的な倒れ防止にもなります。

しかし、平成27年8月4日に告示改正があり、告示の第五-十一は※部分が追記されました。

「ただし、当該耐力壁の上枠と同寸以上の断面を有する床版の枠組又は小屋組の部材(たるき、天井根太又はトラスをいう。以下同じ。)を当該上枠に緊結し、耐力壁相互を構造耐力上有効に緊結する場合においては、この限りではない。」

 

この部分は、頭つなぎの代わりになる部材が、耐力壁の上枠とつながっていれば、頭つなぎを設けないことも可能と言う事です。これまでは構造計算(告示第十)により同様の事が可能でしたが、これからは緊結の仕様を満たすことでも可能になります。(緊結の仕様は告示第五-十五に追記)この告示改正で、天井面に頭つなぎの梁型が出ることなく、フラットな天井面としてスッキリした空間も可能になります。しかし、気をつけなければならないのは改正した法文にあるように十分に補強しないと、きちんと耐力壁同士に力が伝わらず壁端部に力が集中してしまう可能性があります。そうすると開口廻りのクロスに亀裂が入るなどの不具合が生じることもあるかもしれません。構造的にはやはり耐力壁線には頭つなぎとまぐさを設けることが大切と言えるでしょう。

 

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