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新入社員N,Oによる展覧会レポートvol.1 ~土木展~

2016年8月23日 更新
はじめまして。4月に入社した新入社員のN.Oです。
 
3月まで他の構造事務所に勤めておりましたが、当社に縁があり、4月からお世話になっています。現職同様、前職でも構造計算に従事していたので、これまでの経験を活かしつつ精進していく所存です。
そんな堅苦しい前置きで始まりましたが、休日の私の過ごし方を紹介すると、建物探訪、写真撮影、ライブ参戦、美術館巡りetc…と、「浅く広く」をモットーに生きております。
 
さて、当ブログを書いているのは、8月のお盆休み。みなさんはどのように過ごされたのでしょうか。私も世間と同じくお盆休みを頂けたので、趣味の1つである美術館巡りをしてきました。
 
休み中に訪問した展覧会は以下の4つ。
 
・土木展                @21_21 DESIGN SIGHT
・宇宙と芸術展             @森美術館         
・ジュリア・マーガレット・キャメロン展 @三菱1号館美術館 
・メアリー・カサット展         @横浜美術館       
 
どの展覧会もとても興味深かったのですが、建築業界に従事する人間として、ここでは「土木展」を紹介致します。
 
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会場は六本木ミッドタウン内の「21_21 DESIGN SIGHT」。
http://www.2121designsight.jp/
 
過去の投稿でも紹介されておりますが、設計者は安藤忠雄。地上空間よりも地下空間の方が広いこの美術館は、香川県は直島の「地中美術館」を思い起こさせます。
http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
 
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本題である、土木展は、「私達の生活の根底を支える土木技術、土木デザインを身近に感じてもらうこと」をコンセプトに掲げた展覧
会です。以下では、印象に残った作品をいくつか紹介します。
 
 
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「渋谷駅解体」、「新宿駅解体」、「東京駅解体」田中智之(建築家)
最初に待ち受けるのが、A0何枚あるの?と尋ねたくなるような巨大なドローイング。もちろんすべて人の手によるもので、日本での1日平均乗降者数ベスト5に入る、渋谷/新宿/東京駅の絵です。おそらく機械には書けない人間の想像力のなせる技法です。
 
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「土木オーケストラ」
ドローイングアンドマニュアル(クリエイティブチーム)
続いて土木オーケストラ。勘の鋭い方ならおわかりだと思いますが、主に土木工事の現場で発生する音をサンプリングし、ラヴェルの「ボレロ」を奏でるという作品です。
 
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「土木で遊ぶ:ダイダラの砂箱」
展示の上に距離を測るセンサーが置いてあり、瞬時に高低差を読み取り、等高線や色で表示を表示するインスタレーションです。大人の砂場遊びです。
 
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「つなぐ:渋谷駅(2013)構内模型」田村圭介(建築家)+昭和女子大学環境デザイン学科 田村研究室
インスタレーションの中でも、一際参加者の写真のモデルになっていたのが、この渋谷駅構内の模型です。平成22年度から始められた渋谷駅周辺の土地区画整理事業ですが、その複雑怪奇と言って差し支えない構造に、訪れる人はみな口をそろえて「平成の迷宮」と言います。
 
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「ダムとカレーと私」出演:宮島 咲/映像:ドローイングアンドマニュアル/制作協力:柿木原政
一時話題となったダムカレーが並びます。残念ながらイートインコーナーはございません。
 
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「BLUE WALL 永代橋設計圖(東京大学大学院工学系社会基盤学専攻所蔵)」EAU(土木設計事務所)
最後は青焼き図面。今ではCADによる図面作成後、プリンタでの出力が主流ですが、昔はトレーシングペーパーに書いた図面をジアゾ複写機で複製することが主でした。
 
以上が展覧会の主な内容です。
 
土木展という響きからすると想像できない位、デザインに特化した展示であり、それ故、参加者体験型で視覚的にも身近に感じやすい展示でした。
 
土木というと公共事業、公共事業と言えば無駄という図式が成り立つのが、近年の社会風潮ではありますが、この展覧会に参加した人が、必ずしも無駄ではなく、恩恵を受けていることや日々進化する技術の上に生活できていることを考えるきっかけになればと思います。

 

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