平成12年4月に住宅の品質確保促進法(品確法)が施行され同年10月から住宅性能表示制度の運用がスタートしました。住宅性能表示制度は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづいて、住宅取得者が、“住宅の性能”をしっかりと知り、“良質な住まいを安心して取得できる”ための制度です。
新築住宅は10分野(うち必須項目4分野、残りは選択)の性能について、全国共通のルールで評
価するため誰でも分かり易く、また第三者機関(登録住宅性能評価機関)による客観的な評価のため、公正な評価を得ることが出来ます。
性能表示は正式には「日本住宅性能表示基準」といい、住宅の品質基準を分かり易くするために構
造や省エネルギー性等、各事項に応じてランク付けすることを目的としています。
表示項目は、
①構造の安定(必須項目で地震などに対する強さを表示します。耐震等級3が最高等級です)
②火災時の安全(選択項目で外壁・床・屋根などが火に強いかを表示します。等級4が最高等
級です)
③劣化の軽減(必須項目で柱や土台などの耐久性を表示します。等級3が最高等級です)
④維持管理更新への配慮(必須項目で配管の清掃や補修のしやすさ等を表示します。等級3が 最高等級です)
⑤温熱環境(必須項目で断熱性能を表示したり、エネルギー消費量を表示します。断熱性能は
等級4が最高等級で。エネルギー消費量は等級5が最高等級です)
⑥空気環境(選択項目でシックハウス対策・換気について表示します。等級3が最高等級です)
⑦光・視環境(選択項目で、方位毎のサッシ・トップライトの単純開口率と方位別の開口比を
表示します)
⑧音環境(選択項目で、床・壁の遮音性能を表示します。外壁開口部の遮音では等級3が
最高等級です)
⑨高齢者等への配慮(選択項目でバリアフリー対策を表示します。等級5が最高等級です)
⑩防犯への配慮(選択項目で防犯対策等を表示します)
となっています。
等級はそれぞれの項目毎に定められていて、1~5等級までが現状の表示です。等級1が一番良いのではなく、数字が大きくなるほど性能が良いのです。これは将来、今の基準よりもっと性能の良い住宅が出てくるかもしれませんし、そうしなければならないという基本理念があるので今以上のランクを設けられるようにしてあるのです。
耐震等級の現在の最高ランクは基準法の1.5倍を有する等級3ですが、例えば耐震性が2倍ある
住宅を建てても現在であれば、等級3になってしまいます。将来耐震性が2倍を超えるような住宅
が多く出てくると、「等級4」というランクも出現するかもしれません。
建設性能評価とは、設計性能評価で証明された設計図書通りに建設現場が施工されているか審査し、公的な証明として建設性能評価書が発行されます。現場の検査は木造住宅の場合は
①基礎配筋時
②木工事完了時
③断熱材施工時
④竣工時
の計4回です。
設計性能評価のみを取得することも可能ですが、住む側からすれば設計・建設性能評価の両方の審査をしてもらったほうが安心ですね。
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