高齢猫

2018年10月12日 更新

 この9月で、福太朗が我が家に来て15年になりました。
 諸説ありますが、人間の年齢に換算すると、およそ74歳。後期高齢者1歩手前の高齢猫です。
 母猫に育児放棄され、カラスに怯えて擁壁を降りた(転げ落ちた?)ために、我が家で保護されました。腰も立たず、目も見えてなかったのに、どうやって落ちたのは今でも謎で、でもその勇気?があったからこそ、今ここにこうして高齢猫としていられるのです。いつも生命の不思議を感じざるを得ない出来事です。
 もともと少し鈍くさい(ごめん)ので、年を重ねたから…というのはあまりありませんが、でも歩き方やまぶたの部分の毛の長さを見ると、「おじいちゃんになったなあ」というのが、最近の感想です。寒いのも暑いのも苦手で、家族の中の自分の順位をよくわきまえてもいます。
 この間などは、ちょっと頭を撫でようとしただけで、思いっきり怒りモードに突入し、笑ってしまいました。誰が触ったかって? 我が家で一番偉いはずの世帯主です。福太朗にしてみれば、格下相手にいじられるのが我慢できなかったのでしょう。私が触っても牙をむきだして怒ることなんて、ほとんどありませんから、彼の中では厳格な順位が存在し、その順位がどれほど大切であるかわかろうというものです。
 彼が今寝床にしているのは、昼はリビングの椅子の上、夜は和室の押し入れの中です。もう少し立つと、たぶん昼も夜も炬燵の中。人間が足を入れるには「入るよ」とひと声が必要です。さらに隅っこにちょっとだけ。むろんペット用でなく、人間用の炬燵です。
 不幸な生い立ちだったからこそ、余生は幸せでいて欲しいです。そもそも命名の由来が、我が家に来たことが福を拾ったなと思って欲しかったからですので。
 月がきれいな夜に来た福太朗。今日も玄関まで迎えに来てくれるかな?

 

 

 

 執筆者

 M.K.

 

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