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元新入社員N.Oによる展覧会レポートvol.3

2019年5月17日 更新

 入社4年目に入りました、元新入社員のN.Oです。再び縁あって、「展覧会レポートVol.3」をお届けできることになりました。回数を重ねて続けることは、以外にも愛着が湧くものです。

 

 さて、今年のゴールデンウィークは弊社も10連休を頂きましたので、気になっていたのに時間が取れずに行けなかった場所に行って参りました。今回は、「建築倉庫」「原美術館」の2箇所です。

 

 5月某日、まずは、品川は天王洲アイルにある「建築倉庫」へ。「建築倉庫」とは建築模型に特化した展示・保管施設で、建築家の模型の保管場所でもあり、その一部を展示品として公開しています。有名建築事務所の模型も見ることができます。あわせて展示室が2つあり、期間限定の展覧会も催しております。

 

 

 

 この日開催していたのは、「ガウディをはかる –GAUDI QUEST-」。建築学博士で実測家である田中裕也さんが、40年かけて行ったガウディ建築の実測図とガウディ建築の魅力を発信する展示です。グエルパークをはじめ、カサ・バトリョ、コロニア・グエルからサグラダ・ファミリアまで、全てご自身の身体で書き上げた図面が展示してあります。人間業とは思えない緻密な描写は、執念というよりも、ガウディ建築そのものになってしまいたい、というような思いがみられました。と同時に、一人の人間をここまで取り込む、そこまでの魅力を発するガウディ建築に改めて畏敬の念を抱き、やはり現地に行ってみたいと感じました。実際に使用していた実測器具やスケッチブックのコピーも展示してあるので、気の遠くなるような実測作業を体感することもできます。

 

 

 

 

 

 

 展覧会を見終えて、このようにして自分を表現できる手段をもっていることが、とても幸せなことだと感じました。ただひたすらに測ることが田中さんの表現方法。測り続ける事で見えてくる幾何学や法則、そしてガウディの建築に表現した思い。毎日、情報の取捨選択を迫られる情報過多の世の中で、一つのことを突き詰めることで見える世界。

「生きることははかること」と田中さんは述べています。私自身も、言葉だったり、絵だったり、体を動かすことだったり、次回のblogまでに自分を表現できるナニカを見つけられたらと思います。

 

 続いて向かったのは「原美術館」。建築倉庫からは30分くらいの場所にあり、閑静な住宅街にあるため、雰囲気も落ち着いていておすすめです。

 

 この美術館に来た目的は展示というもよりも美術館そのもの。と言うのも、2020年12月をもって閉館になってしまうからです。設計は渡辺仁で、もともとは原邦造の邸宅で建てられたものを美術館に用途を変更したもの。

 撮影禁止のため、お見せできないのが残念ですが、白を基調としたモダニズム様式の建築は、邸宅とは思えない平面・立面計画で、もともと美術館として設計されていたかのようなプランニングで、住む楽しさを思い出させてくれる構造に魅せられました。特に円弧のサッシで囲まれた半円形のサンルームは、居心地が良く、展示よりも空間と納まりに見とれてしまいました。ぜひ閉館前に訪問して体感してみてください。

 

 以上が、展覧会レポートvol.3でした。最近は初夏の陽気の日もありますが、外出するには気持ち良い季節になりましたので、散歩がてらに美術館巡りはいかがでしょうか。では、vol.4で会いましょう!!

 

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