ここでは「2×4はじめて」の方が、素朴に感じる疑問に、お答えしたいと試みました。
感覚的にご理解いただきたく、厳密さを多少犠牲にしていることお断りしておきます。
0.「2x4工法」の読み方
「ツーバイフォー工法」と読みます。Xはバイと読み、「かける」と言う意味です。
「2」「4」は長さのインチを表します。つまり「2インチ×4インチ工法」と言う事です。
もっともよく使うサイズの木材が約2インチ(38mm)×約4インチ(89mm)なのが由来みたいです。
2×4工法は俗称で、正しくは「枠組壁工法」と言う名前です。
ちなみに海外ではライトフレームコンストラクション(light-frame construction)と呼ばれているそうです。
1.2x4工法は普通の木造(軸組構法:柱と梁を組んで作る一般的な作り方)とは色々違います。
材料、施工方法はもちろんプランニングや構造設計も違ってきます。
よって、普段、軸組構法を扱っている工務店さんが2x4工法で設計や施工ができるとは限りません。
ですから、材木店、大工さん、設計者、意匠設計者、構造設計者が設計や施工などどのような分野が得意なのかは分かれるところです。
もっと詳しく知りたい方は日本ツーバイフォー建築協会のHPを訪れてみてください。
ちなみにBX TOSHOは軸組構法も2×4工法も構造計算を承っています。
2.基本的な2x4工法の考え方
2×4工法の基本的なイメージは箱です。たとえば段ボール箱やティッシュペーパーの箱のような感じです。
厚紙のままではすぐに折れ曲がってしまいますが、箱の形にすると物を入れたり、上に積み重ねたり、多少ゆすっても大丈夫になりますよね。こういう考え方を「モノコック構造」とも言います。要は、上や横から押さえても丈夫ですよね。
話を2x4工法に戻しますが、上記の厚紙に該当するのが「パネル」と呼ばれる、額縁みたいに組んだ枠に合板を釘打ちしたモノです。
このパネルをサイコロの様に6面体に組み立てたのが2x4工法の一番シンプルな構成です。
六面体の下の面を床パネルと呼び、上の面を屋根パネルと呼びます。また、横の面は壁パネルと呼びます。
2x4工法は、この6面体の箱を横に並べたり、上に積んだり、箱の中を仕切ったりしながらプランニングをしていきます。
ちなみに窓などの開口部は、箱の一部をくりぬいて穴をあけるイメージが大切です。くり抜き過ぎると・・・なんとなく想像できますね。
3.2x4工法の部材
基本的には床パネル、壁パネル、屋根パネルです。
各パネルは合板と枠材で作られています。
床パネルは床合板(15mm厚や24mm厚など)と床根太(210など)、床梁(集成材やLVL)で作られます。I型ビームの根太を使うこともあります。
屋根パネルは屋根下地合板(9mm)とたるき(204など)、屋根梁、トラスなどで作られます。
壁パネルは壁合板(9mm厚、MDFなど)と縦枠材、上枠材、下枠材(204など)で作られます。
壁に開口部を作る箇所には「マグサ」と言う部材で上からの荷重で開口部がつぶれないように補強します。
開口幅や上階の荷重によって、さまざまなサイズを使います。(2-204、2-210,410,610など、ちなみに「2-」は2本を平行に釘で束ねて使うことを表します。)
上記の他にも、壁パネルやマグサをつなぐ役割の「頭つなぎ」や、建物を支える基礎や土台、1階から2階まで連なった通し壁なども有ります。
4.2x4工法の法的な扱い
2×4工法は、使用する材料、構成する部材、力の伝わり方などが軸組み構法と違うため、
建築基準法施行令第3章3節(木造)に規定される仕様規定には当てはまりません。
そこで同施行令80条の2(構造方法に関する補則)にて木造の特殊な構造方法によるものであるとして扱われ、告示1540号及び告示1541号に2×4工法の仕様規定と構造計算方法に関して別途定められています。
つまり、法的にも軸組構法とは別の扱いをされていると言う事です。
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